こんにちは。
火鉢の道具店 番頭の三浦でございます。
鉄の急須の取っ手が取れてしまうこと、ありませんか?
急須を落としたら取っ手取れた。
使っていたら外れた。
などが主な原因です。
![](https://repair.hibachiya.com/wp-content/uploads/2022/02/goo.webp)
まずは急須と鉄瓶の取っ手の違いを画像で確認します
最初に急須と鉄瓶の取っ手の違いについて確認してみましょう。
左が急須
右が鉄瓶です。
![](https://repair.hibachiya.com/wp-content/uploads/2022/01/2.jpg)
![](https://repair.hibachiya.com/wp-content/uploads/2022/01/1.jpg)
急須の取っ手(左の画像)
急須の取っ手は固い鉄の棒。
その鉄の棒の先を、本体の穴に差し込みます。
はめ込み式です。
鉄瓶の取っ手(右の画像)
鉄瓶の取っ手は鉉(ツル)と呼びます。
鉄瓶の鉉も鉄ですが鍛冶屋がつくったもの。
鉄を熱して曲げてつくります。
取り付け方の代表的なものは「掴み」というもの。
鉄瓶本体にある穴へ、両側かわら挟み込んで固定します。
だから鉄瓶の鉉は左右にパタンと倒れません。
一方、急須の取っ手は左右にパタンと倒れます。
結論です。修理はできますが新品購入と修理費用を比べてお決めください。
外れてしまった急須の取っ手をつけ直すことはできます。
でも、量産型の急須の取っ手は取り付けの際に折れる可能性ゼロではありません。
鉄瓶の取っ手と違い、量産品の急須の取っ手は非常に固いのです。
また取り外すことを想定して作られていません。
こうした理由から鉄の急須の取っ手が取れた場合、「再度取り付けは可能ですがリスクもあります。」
仮に取っ手が折れても、新しい取っ手を作りおつけします。
新しく作っても修理費用は変わりません。
ただ取っ手だけ新品状態になります。
鉄の急須の取っ手が取れた場合の修理費用は概ね¥7,700〜
7,700円〜1万円前後になります。
最終的には実際にお預かりし、よく拝見してから修理費用お見積りいたします。それでも以下の点にはご留意ください。
一般的な南部鉄器の急須は5,000円前後で購入できます。
5,000円以上の修理費用を支払う価値があるかどうか充分ご検討ください。
急須の中には比較的高価なものもございます。その場合は修理する価値が充分あると思います。
あくまで費用だけで考えた場合の話です。
外れた取っ手の先が折れている場合の修理は?1万円+
取っ手の先の引っかかる部分が折れていることもあります。
また経年劣化で取っ手のひっかけるところが削れて、取れやすくなっているケースもございます。
この場合の取っ手を取り付けてもまた取れることがあります。
その場合は
急須の取っ手の修理方法
1.漆で付け根を強化する
2.新しく取っ手を作る
費用は¥7,700〜¥10,000円台です。
どうして急須の取っ手を取り付けるだけで高額になるのか
急須の取っ手が鉄瓶の取っ手より固いからです
鉄の急須の多くは数千円で購入できる量産品です。
そうした急須の取っ手は固い棒を曲げて作ります。
取れることを想定して作られていません。
固い鉄の棒は弾力がないので、再度取り付けるときに広げますと稀に折れることがあります。
実は70個ほど取り付けてまだ折れたことは一度もございません。
でもその可能性もゼロではないことは、お伝えしなければなりません。
折れてしまえばこちらのミスですので新しく取っ手を作ります。もちろん追加費用はかかりません。
ただ取っ手だけ真新しくなること、全く同じ取っ手ではなくなります。
まれにある珍しい急須は修理費用かかっても修理の価値あり
鉄の急須の中には時代物や、鉄瓶と同じ手の込んだ急須もございます。
今月お受けした急須もそんな一つでした。
昔、盛岡に存在した腕のいい職人のつくった急須です。桐箱に入っていました。
さすがの見事な作りです。
こうしたものは修理されることをお薦めしております。
取っ手が鉄瓶と同じく「掴み」という作風になっています。
こうした急須は修理後にリセールバリューがあるとい点でも修理費用をかける価値はあります。
尚こちらの急須の修理は
「取っ手の掴むところの先が折れていました。だから新しく作ります。」
「そして内外を黒漆で塗り直し焼付処理をします。」
鉄瓶の修理と同様の作業をいたします。
ただ小さいので鉄瓶よりはずっとお安くなって費用は19,800円でした。
![珍しい急須](https://repair.hibachiya.com/wp-content/uploads/2022/01/tukami.webp)
では珍しい急須以外は修理しないほうが良いの?
そんな事はありません!
想いがつまった急須はプライスレス。たとえばご両親がつかっていた急須、祖父母がつかっていた急須など、これ以上価値の有るものはございません。是非大切に修理させていただきますのでお預けください。
他なにかご不明な点がございましたらお気軽にお尋ねください。
最後におすすめの急須をご紹介します。
Amazonへのリンクのみで失礼します。
2年ほどまえから中国製の鉄瓶や急須も出てきました。
おいおい書いてまいりますが結局新しく書い直すことになっています。
あとで後悔しないために「これならOKI」という急須を3つほどリンクのせておきます。
あとで後悔しないために。店主が自信を持って紹介する急須3選(Amazonリンク)
弊店でも数多くの急須を販売してきました。その経験を生かして「これなら一生モノ」の急須を3つほどお選びしました。
プレゼントにも最適です。
定番中の定番 盛岡の最大手岩鋳の急須
岩鋳の鉄瓶 兼用急須 0.65L IH対応:IH対応ではない鉄瓶をIHで使用すると破損します。その点IH対応なので安心。また、鉄瓶兼用急須というのは、内側に急須にあるようなコーティングをしていないので鉄瓶として使えます。当然赤い点々の錆びがでますが鉄分が採れている証拠です。赤錆は鉄分が出ていれう証拠なので平気です。またしっかり育てていけばお湯は透明なママ。安心して使用できます。
アフタヌーンティーの特別感をご自宅で楽しめる急須
アフタヌーンティーの急須:岩手県では北の盛岡と、南の水沢で鋳物を作っています。鉄瓶は作り方がけっこう違います。急須は同じ。そして急須なので内部をコーティングしてあります。錆びません。私のようにズボラでも錆びないので嬉しいです。ただし空焚きは一発アウト。あくまで急須として使用します。 丸い鉄瓶も急須もかわいらしいです。一家に1つあっていい急須です。
実は三浦イチオシの壱鋳堂のホワイト丸急須
盛岡の壱鋳堂のホワイト丸急須:実は鉄瓶職人さんにも色々いまして。デザインメインのケースもままあります。この壱鋳堂さんはデザイン専門。制作は恐らく岩鋳などの大手で作成しているものと思います。それがゆえに安心の品質というわけです。2009年創業ということで新しい若手デザイナーが盛岡の鋳物を次なる次元へ高めてくれています。
鋳物を長年みてきた私ですが、この壱鋳堂さんの急須は見事というほかありません。今ならではのイチオシの急須です!
以上厳選して3つだけご紹介しました。
最後の壱鋳堂さんだけは、取っ手が取れても工房に伝えれば取り付けてくれるかもしれません。何となくそう思うだけなので一応確認してみてください。
岩鋳さんは取り付けてくれないそうです。複数のお客様から伺っています。
どうしても取り付けてくれるところがなかったら弊店へご連絡ください。有料にはなってしまいますがお取り付けします。
一杯のお茶をより華やかに楽しくしてくれる鉄器の急須。
是非楽しんでください。
有難うございました。
番頭三浦
コメント
コメント一覧 (2件)
取っ手が 外れはしませんが カタカタし とどまっていません
どれくらいの修理費用掛かりますか?
鉄瓶ですと1万円ちょっとで修正かのうなのですが、急須の場合は費用の前に修理が可能なケースと難しい場合があります。
昔の急須は修理可能なのですが新しいものは工業製品ゆえに鉄も固く、固いがゆえに修理中に折れないとも限りません。
また摩耗でかたついている場合は漆で動きを止めることはできますがまたいずれかた付きます。
20年より前の急須でしたら一度お写真を弊店のホームページのお問い合わせからお送りください。
職人さんと見て判断させていただきます。
お問い合わせ有難うございました。