こんにちは。番頭の三浦です。
こちらが今回の鉄瓶です。
初め鉄瓶の鉉(つる)、つまり取っ手に巻きつけてある籐の修理も合わせてご希望でした。
東北の鋳物の世界のハナシ
鉄瓶はもちろん、鉉も修理はいたしますが籐を巻ける職人さんはいません。
途方にくれたときは取り敢えず田中さんです。
田中さんというのは、2020年まで活躍していた田中鉉工房の田中二三男さんです。
日本でただ一人の鉄瓶の鉉をつくる鍛冶職人。
ただじつは、鍛冶屋さんは日本にまだほんの少しですが残っています。
私も当初はしらなくて、聞いたままに「日本に唯一人」と言っておりましたが、他の鍛冶屋さんに大変失礼なことをいたしました。ごめんなさい。
ただ鉄瓶の袋鉉といういみでは、日本にたった一人か二人しかいません。と思います。
また東北ではただ一人は嘘ではないです。
世代交代進む鋳物の世界
さてこの田中さん。
非常にフレンドリーで優しい職人さんです。
東北の鋳物の世界は非常に閉鎖的です。最近は若手がでてきて横の繋がりもあるようですが、10年くらい前までは非常に閉鎖的でしたし、驚くほどお互い仲悪かったです。
再度繰り返しますが今の時代は横の連携もあるようですし、岩手の南部水沢にも元気の良い職人さんもいます。鋳物の世界、鉄瓶の世界を盛り上げようとして皆さんがんばっています。
世代交代は本当に大事です、
私もなお一層、鉄瓶の世界に貢献できるようにがんばります。
鍛冶屋の田中さんは職人会の救世主
そんな狭い世界に私が入り込めたのはこの田中さんのお陰です。
鉉に巻いてある籐もしくは竹を、綺麗に巻き直せる職人さんがいるのでしょうか。職人さんの中では異質中の異質でした。一度だけご自宅に泊めてすらいただきました! お肉以外はすべて自給自足の大家族の物凄いご自宅でした! その後わたしは一時田中さんに仕入れ代金が支払えず未払いがありました。(お恥ずかしい・・・)
こんな良い職人さんに未払いとはけしからんですが、もちろん既に昔のハナシなので許しくてください。ま、私もそこまで書かないでも良いのですがつい勢いで。。。
とにかく田中さんは多方面からの信頼厚く、顔も広い職人さんです。
きっと誰か見つかるはず!
とおもったら、これがいなくてですね。
そもそも国産の籐が手に入らなくなって久しいようでした。
「いざとなったら、おらがやる。」
そう言ってくれた田中さんは神でした。
その後も引き続き職人さんと探してくれました。
そしてとうとう見つかりました。
鮎釣り仲間が釣り竿作るの趣味で、直せるっていうから出来るはず。
とうことで鉉の巻いてある部分を直してくれるのは
職人さんではなくて、釣り竿を趣味で作っているお友達!
でしたw
ですが御覧ください。
完璧です。
ながなが書きましたがここからが本題。
鉄瓶の修理です。
なお鉄瓶は水沢の鉄瓶かなともおもいますが、山形鋳物かもしれないです。
作られたのはそう古くはなく、昭和の終わり頃か平成に入った頃だと思います。
ではビフォーアフターの様子ご覧ください。
ビフォー
アフター
いかがでしょうか。 とっても綺麗にお色直しができました。
お客様のご感想
「まさか取っ手まで切れになってくると思っていなくて諦めていたのですが。本当に綺麗に蘇ってきて嬉しかったです。」
鉄瓶の修理は「鋳掛屋(いかけや)綱取」がいたしました。
ご覧いただき有難うございました。
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