まずは修理前の状態です。
京鉄瓶のフタの破損を修理。本体のリメイクを行ったビフォー・アフターです。
銅のフタの鉄瓶は京鉄瓶。鉄瓶本体部分は関西でつくられたもの。
一部、山形鋳物もあります。
銅は富山県の高岡が有名です。
いずれにしてもこちらは年代物の京鉄瓶。
銅のフタは量産品ではないよく出来たもの。1点もののようです。
くるくる回る取っ手部分が取れています。
その上に、フタになる部品もあるのですが紛失しました。
口のサビです。湯垢もついていますのでよく使われています。
鉄瓶としては道具冥利に尽きると思います。
内側も当然サビています。
口も湯垢がなかなか溜まってます。
使われなくなって長く放置されていた様子です。
こちらを修理しました。
鉄瓶のフタと本体の修理アフター
フタは完璧に治りました。 銅フタの修理も得意な鋳掛け屋「綱取」職人。部品もちゃんと作ります。
銅フタの裏はロウ艶出し。
鉄瓶の内外はサビを取りまして黒漆(緑茶と鉄と漆を混ぜたもの)を焼き付けしながら重ね塗りします。
これで完成。
新品状態なので慣らし運転をします。
漆の匂いがとれるまで2〜3度、お湯を沸かしてすてます。
コメの研ぎ汁などを入れて煮出すと一気に匂いが取れます。
使用し始めたら最初の3ヶ月で鉄瓶を育てます。
月イチで薬草茶、麦茶、緑茶なんでもいいので鉄瓶で煮出してあげてください。
最初の3ヶ月が勝負です。
もちろん今後赤サビはでます。
でも水は赤くなりません。
そのうち赤い部分は黒くなってその後は赤サビがかなり出にくくなります。
これが鉄瓶が育った状態です。
以上、京鉄瓶のフタと本体の修理でした。
ご依頼いただきまして有難うございました。
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